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2013.01.01 [第43号]

QDAソフト「MAXQDA」に新バージョン登場

海外製品調達サービス「ユニポス」にてもっとも長く売れている商品として、
質的データ分析支援(QDA)ソフトウェアの「MAXQDA」があります。
質的データ分析とは、量的な(数値化できる)データ分析と対比的に捉えられる分析手法で、
言語や概念といった数値化できないものを分析するために用いられている手法です。
看護学や心理学、社会学といったコミュニケーションに関連する学術分野や、
近年ではマーケティング分野でも注目されています。

「MAXQDA」はドイツのVERBI社による開発ですが、20年以上の歴史があり、
日本の先駆的な研究者の方の協力でメニュー表示を日本語化できるようになったこと等も手伝い、
日本国内で着実にユーザーを増やしてきました。
そしてこの12月にMAXQDAが約2年ぶりにバージョンアップし
「MAXQDA 11」が発売された、という次第です。

今回は、QDAソフトウェアの概要に加え、
「MAXQDA」の特長や新バージョンで追加された機能などをあらためてご紹介します。



maxqda_logo.jpg
QDAソフトウェアとは?

QDAとは「Qualitative Data Analysis(質的データ分析)」の略で、
QDAソフトウェアとは文字通り質的データ分析を支援するためのソフトウェアです。

一般的には例えばインタビューデータやフィールドノートといった、
分析において数値化が難しいようなドキュメントをソフトウェアにインポートし、
コーディング(文書内の情報を分類したりタグを付けたりすること)をしていく...
といった使い方をします。ソフトウェア自体が分析を行うというよりも、
ソフトウェア上で効率良くデータを整理、分類することで、
最終的に人間が分析を行うのを支援するといった動作をします。
とくに大規模なデータを扱う場合や正確な分析を行いたい場合に効果を発揮します。
ソフトウェアによっては画像や音声、動画なども扱えたり、
各種の補助機能を利用することでより手軽に詳細な分析を行うことができます。



「MAXQDA 11」の特長と新機能

MAXQDAは20年以上前から開発が進められている歴史の長いQDAソフトウェアで、
長きにわたる実績によりその有効性が実証されてきました。
主な特長としては、早くから日本語メニューに対応していたことや、
価格がほかの有償QDAソフトウェアより比較的安価であることが挙げられます。

また、コーディングを行うためのコードシステムに特徴があり、
色々な方法でコーディングを行うことができます。
例えば文書の特定部分を選択してすでに作成済みのコードを割り当てたり、
新しいコードをその都度作って文書の特定部分に割り当てたり、
インタビューにおいてインタビュー対象者自身が使った言葉を
そのままコードとして利用して割り当てたり...などです。

なお、最新バージョンの「MAXQDA 11」では、
以下の2点が大きな変更点として挙げられています。

maxqda_app1.jpg MAXApp

iPhone・iPad から MAXQDA へデータをエクスポートできる機能。
QDAソフトとして初めてモバイル端末との連携を実現しました。

maxqda_emoticode.jpg Emoticode

300 種類以上の絵文字や顔文字をデータコードに使用できる機能。


top1.jpg
今回よりスマートフォンやタブレット用のアプリが登場し、
DropBox経由でMAXQDAへのデータエクスポートが行えるようになりました。
写真はiPad用アプリの画面。



そのほかにも多数の機能が追加・強化されています。
例えば、以下のようなものです。

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・ カスタマイズ可能な印刷フォーマットのレポート生成機能
・ オーディオファイルやビデオファイルの添付機能を強化
・ 統計表や図表(円グラフ・棒グラフ)の作成機能
・ ExcelやEndnote、Zotero、Citavi等からの直接データインポート
・ ワイドスクリーン向けのウィンドウレイアウト
・ クエリツールの強化
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そのほかのQDAソフトウェア

MAXQDAのほかには「ATLAS.ti」や「NVivo」といった
QDAソフトウェアが代表的製品として挙げられます。
ATLAS.tiはドイツのATLAS.ti ScientificSoftware Development社が、
NVivoはオーストラリアのQSR International社が開発を進めており、
どちらも世界中で利用されています。

なお、ATLAS.tiは英語版のみ(日本語データの取り扱いには対応)ですが、
NVivoについては日本語版が発売されています
(ただし英語版よりも最新バージョンがリリースされるのに時間がかかる傾向があります)。

そのような状況から、国内でのQDAソフトウェアの普及は
これからまだまだ進んでいくのではないでしょうか。



文:鈴木良歩

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