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巻頭特集 -旬の話題をお届け-

2012.11.01 [第41号]

Windows 8の発売により、PCやタブレットを 取り巻く市場環境はどのように変化する?

マイクロソフト社よりWindows 8が10月26日に発売されました。
そのユーザーインターフェース(UI)は、Windowsとしては
かつてないくらいの大幅な変化を遂げました。
そして、それが果たしてどのように市場に受け入れられるのか、
多くの人々に注目されています。今回は、これまでの経緯をたどりながら、
今後のPCやタブレットを取り巻く市場がどう変わっていくかを考察します。

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いまのPCやタブレット、スマートフォンといった個人向けコンピュータを取り巻く市場環境は、
2007年にAppleからiPhoneが発売されたところからその形成が始まった
...とみるのが自然ではないでしょうか(少なくとも表向きは...) 。
その後iPhoneが大ヒットし、さらにGoogleからAndroidが登場したことで、
Android搭載スマートフォンが多数発表され、Apple vs Androidのスマートフォン戦争が勃発しました。
いまでは携帯電話=スマートフォンというくらいの勢いです。

そして、iPadの登場により、タブレットという新たなデバイスとその市場が形成されました。
iPhoneとiPadはiOSという同じOSを搭載していました。
当然のように、Apple vs Androidの戦場はタブレット端末にも移行していきます。
最初は10インチ前後が主流だったタブレット端末も、
SamsungのGalaxy Tabを皮切りに、AmazonのKindle FireやGoogleのNexus 7、
そしてAppleのiPad miniなど、7インチクラスにも広がってきています。
今後は17インチや20インチの大型タブレット市場が形成される可能性すらあるかもしれません。

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そんなスマートフォンやタブレットの盛り上がりと市場争いに、
Windows陣営はすっかり遅れを取っていました。
Windowsでも実はかなり前から、タブレットPCと呼ばれる、
回転可能なディスプレイとキーボード、スタイラスペンを備えた製品が存在していましたが、
決して舞台の中央に立つことはありませんでした。

その後、ASUSの Eee PCをはじめとする安価なミニノートPC
(これらの製品群については色々な呼び方があった気がします...)
のブームがありましたが、すぐにiPadが登場したことで、あっという間にその影に隠れてしまいました。
ここ最近はキーボードを持たないWindowsマシンを「スレートPC」と呼称して
新たな市場を形成しようともしていましたが、残念ながらスレートPCという名称を
知っている方は少数派ではないでしょうか。

また、Windows 8につながるMetro UI(現 Modern UI)を備えた「Windows Phone」も発売しましたが、
その完成度への評判とは裏腹に、AppleやAndroidの市場に食い込むまでには至っていません。
(今のところは...)



そんな情勢の中、マイクロソフトはタブレット市場での起死回生を図り、Windows 8を登場させました。
Windows 8ではタブレット端末での実用性を高めるため、Modern UI(Metro UI)を大胆に取り込み、
旧来のデスクトップ環境と融合した形を提案しました。

さらに、マイクロソフト自身がそのOSを搭載したタブレット「Surface」まで発表します。
今回のWindows 8リリースにかけるマイクロソフトの意気込みが伺える上、
取り外し可能でカバーにもなるキーボードを前面に出している...という点からも、
Windows 8のベストな利用形態がどのような形か?が見えてきます。

Surfaceに代表されるWindows 8搭載タブレットのの多くは、
旧来のノートPCとタブレットの「ハイブリッド」とも言えるポジションの製品です。
iPadなどのタブレットは、「データの閲覧には便利だけど、本格的なデータ入力・編集には向かない」
という欠点があったように思います。Windows 8搭載端末はタブレットとしての特長を持ち、
いざとなったらキーボードを活用して旧来のノートPCと同等の入力・編集機能を確保できる...
さらには業界標準のMicrosoft Officeが利用できる...という点で、
旧来のタブレット端末にない特長があります。


はたしてWindows 8およびその搭載製品はどのようにユーザーに受け入れられるのでしょうか。
AppleやAndroidの牙城に食い込む第3勢力に育つのか、
それとは異なる新たな市場を形成していくのか、
結局Windows市場からはみ出る事ができずに
ノートPCがキーボード付きタブレットに形を変えただけで終わるのか、
あるいはOS自体が「Windows Vista」のように「なかったこと」のようになってしまうのか...。
私としては残念ながら、その「いいとこ取り」の中途半端さから、
Windows 8製品は大きく普及することはなく淘汰されていってしまうのでは...と予想しています。
いずれにせよ、その趨勢はいずれはっきりしてきます。
しかしながら、マイクロソフトは転んでもただでは起きないでしょう。
試行錯誤の末、旧来のPCともタブレットとも異なる、新たな市場が形成されていく事に期待したいです。


文:鈴木良歩



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