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巻頭特集 -旬の話題をお届け-

2012.06.01 [第36号]

「できるだけ速いパソコン」を選ぶポイント

大学や研究機関における計算・解析やモデリング...といった用途では、
どれだけ早く処理を終えられるかが研究・開発の進行を左右します。
そのため「とにかく自分達の行う処理が高速に動くマシンが欲しい」といった要望をお持ちかと思います。
そのような場合、すぐにどんなパソコンが最適か分かれば良いのですが、
最近は以前に比べてパソコンの性能を示す指標が分かりづらくなってきています。

今回の記事では、「速いパソコン」を選ぶにはどんな部分がポイントになるか、各パーツごとに解説します。



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8コアCPU(Intel Xeon)を4個搭載したマシンのCPU使用率表示画面。
グラフが32ブロックに分かれています。
この性能を活かすにはアプリケーションや実行プログラムのマルチコアへの最適化が必須です。





CPU  ...さらなるマルチコア化へ 各種の支援機能も

かつてのPentium4までの時代は動作クロックが何GHzかということが
単純な性能の指標になっており、高クロック化競争が繰り広げられていました。
しかし、最近はマルチコア化が進み、またCPU内で様々な形で処理を
高速化するための仕組みが取り入れられています。
そのため、単純にクロックだけでは性能を判断することが出来なくなっています。
今では2コアや4コアはもちろん、6コアとか10コアといったCPUも一般化しつつあります。

マルチコアCPUは同時に複数の作業や処理を進めたり、ソフトウェア側が
マルチスレッド処理に最適化されていれば、その性能を活かすことが出来ますが、
例えば利用するソフトウェアがシングルスレッドでしか動作しない場合には1コアしか使わないため、
マルチコアの恩恵を受けることが出来ません。
ただ、最近のIntel Core iシリーズなどでは「Turbo Boost(TB)」という機能が備わりました。
これはCPUの搭載コアのうち一部のコアしか利用していない時には自動的に動作クロックを上げ、
性能をアップさせるという機能です。そのため、シングルスレッド動作にしか対応していない
ソフトウェアでもCPU性能をより引き出すことができるようになりました。

また、Intel製CPUではPentium4の頃より「HyperThreading(HT)」という仮想マルチCPU技術を
備えています。このHTは諸刃の剣であり、用途やアプリケーションによってはかえって性能が
落ちる場合もあるため注意が必要です。
さらに、最近はCPUにメモリコントローラやグラフィックス機能を内蔵する事で、
メモリの速度やグラフィック性能をより高めようとする傾向にあります。


HDD、SSD  ...SSDの値下がりと高性能化が顕著

最近はSSDの価格がかなり下がってきており、また性能向上も著しいことから、
急激にHDDからSSDへの移行が進んでいます。
もともと衝撃や熱には強いことが特長でしたが、懸念されていたプチフリーズや、
書き換え回数の制限による耐久性の問題も徐々に払拭されつつあります。
Intel、Crucialなど最新の主要メーカー製SSDではリード/ライト性能は
HDDの数倍を誇り、体感でもOSの起動やアプリケーションの起動、
ファイル読み書きなどで大きな差を感じることができます。


メモリ  ...大容量メモリの搭載が容易に

現在のメモリは規格としてはDDR3の1333MHz、1666MHz品が主流ですが、
前述したメモリコントローラのCPU内蔵などにより
メモリへのアクセス速度がより向上するなど進歩を遂げています。
最適なメモリ構成はCPUやチップセットに何を使うかによって変わってきます。
数十~数百GBといった大容量のメモリを搭載することも容易になりましたが、
32bitのOSやアプリケーションでは4GBまでしか利用できないため、
大容量のメモリを扱うにはOSとアプリケーションの64bit化が必須です。


グラフィックボード(GPU) ...GPGPUで主役の座へ

最近はチップセットやCPUが内蔵するグラフィックス処理機能が優秀になり、
単体のグラフィックボードは3Dモデリングや3Dゲーム、医療用、多モニタ環境など
限られた用途でしか利用されなくなってきています。
その代わり、GPUの持つ優れた画像処理演算性能を科学計算や
シミュレーションなどに利用するGPGPUが普及しました。
この分野ではnVidia Teslaをはじめとする専用ボードが多く登場し、
一部のスーパーコンピュータにも利用されています。


その他のポイント  ...冷却、電源

CPUやGPUの性能をじゅうぶんに発揮させるには、冷却性能の確保も重要なポイントです。
とくにCPUのTurbo Boost機能は温度が一定以上に上昇すると機能しないため、
冷却には気を使う必要があります。

また、高性能なCPUやGPUを備えているほど多くの電力を消費するため、
それだけタフで大容量の電源ユニットや電源供給環境を必要とします。




おわりに】

これまでに説明したように、ひとくちに「速いパソコン」といってもさまざまな要素が絡みます。
計算・解析用などでより細密に高速化を図る場合、用途や利用するアプリケーションによって
最適な構成が変わってきます。まずは利用するアプリケーションや用途にはどのような性能を
持つパソコンが適しているかを理解した上で、パソコン選びをしてみてはいかがでしょうか。
よく分からない場合は、アプリケーションのメーカーや弊社のような専門家のアドバイスを
活用することをおすすめします。(お気軽にご相談ください)



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