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2019.08.28

Intel、AMD 各CPUでの「Metashape」処理の簡易比較検証 (後編)

metashape_report_1908_title_img.jpg

先日公開した前編記事に続き、第三世代のRyzen (Ryzen 3000シリーズ)でも前編と同じ処理をした際の挙動を確認いたしました

今回は追加検証として、
・Ryzen CPUはメモリ周波数が総合処理能力に影響する
・Windows 10のアップデートバージョン1903にてRyzen CPUに最適化される
という情報のもと、Metashapeの利用においてどの程度影響があるのか、という点につきましても、併せて確認を行いました。前回結果との比較参考になれば幸いです。


測定方法・ツールなど

・Agisoft Metashape バージョン:Ver1.5.3
・CUDA有効、CPUアクセラレータ機能は使用しない、デフォルト状態
・サンプルプロジェクト:Doll (Agisoft サンプルデータダウンロードページ)

photoscan_doll.jpg

上記環境にて前回同様、Metashape起動後、
Align Photos (High) →Build Dense Cloud (Midium) →Build Mesh (Midium)
の順で実行し、出力ログにて、実行時間を確認、比較します。


■ Ryzen 第三世代の測定


今回の検証環境:AMD Ryzen 7 3700X (第三世代)

CPU AMD Ryzen 7 3700X 3.6GHz 8C/16T
メモリ DDR4-2666 / DDR4-3200
GPU Geforce RTX 2080 Ti
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit(バージョン1809 / 1903

①② Windows 10 (1809)

バージョン メモリ Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 DDR4-2666 28秒 1分8秒 43秒
DDR4-3200 28秒 1分7秒 40秒

③④ Windows 10 (1903)

バージョン メモリ Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 DDR4-2666 28秒 1分10秒 44秒
DDR4-3200 29秒 1分9秒 41秒


■ 測定結果について

【メモリ周波数によるMetashape測定結果への影響について】

Build Dense Cloud及びbuild Mesh処理において、DDR4-2666構成よりも DDR4-3200構成のほうが、若干の時間短縮が見られました。
ただし、Ryzenの場合は前提として、メモリ4枚構成よるメモリの動作周波数は2667MHzとなり、搭載するメモリモジュールの周波数にかかわらず、4枚構成の場合は実質 2666MHz相当の動作となります。この点を考えますと、時間短縮を突き詰めるかメモリの搭載容量を増やすかを天秤にかけ、どちらのほうがメリットがあるかどうかが選定の判断基準になるといえます。


【WindowsバージョンによるMetashape測定結果への影響について】

Windowsバージョンを1903にアップデートしての測定結果は、1809と比較すると若干の速度低下が見られました。なお、今回の検証ではRyzen用の電源プラン「AMD Ryzen Balanced Power Plan」を有効にし、電源管理を実施して測定していますが、Metashapeではこのあたりの修正による効果はあまり期待できないといえます。



■ 前回までの結果との比較

改めて、これまで実施した各条件下でのMetashapeの処理時間測定結果について比較してみます。



前回の検証環境 : AMD Ryzen Threadripper2 (第二世代)

CPU AMD Ryzen Threadripper 2990WX 3.00GHz /80MB 32C/64T
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit (バージョン 1803)

⑤ 検証結果

バージョン GPU Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 RTX 2080 Ti 40秒 1分15秒 1分11秒


前々回の検証環境 : AMD Ryzen Threadripper (第一世代)

CPU AMD Ryzen Threadripper 1950X 3.40GHz /40MB 16C/32T
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit

⑥⑦ 検証結果

バージョン GPU Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.3.2 GTX 1080 52秒 1分23秒 53秒
GTX 1080 (SMT 無効) 37秒 1分20秒 45秒


参考比較1:Intel Core i9 (2種類)

CPU Intel Core i9-7900X (3.30GHz 10C/20T)
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit (バージョン 1803)

⑧ 検証結果
バージョン GPU Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 RTX 2080 Ti 40秒 1分6秒 38秒


CPU Intel Core i9-9900K (3.60GHz 8C/16T)
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit (バージョン 1803)

⑨ 検証結果
バージョン GPU Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 RTX 2080 Ti 26秒 1分4秒 34秒


参考比較2:Intel Xeon

CPU Intel Xeon W-2155 (3.30GHz 10C/20T)
OS Microsoft Windows 10 Professional 64bit (バージョン 1803)

⑩ 検証結果
バージョン GPU Align Photos (High) Build Dense Cloud (Midium) Build Mesh (Midium)
1.5.3 RTX 2080 Ti 39秒 1分9秒 1分12秒



以上を取りまとめると、処理全体の合計時間は以下のような結果となります。
今回検証した第三世代のRyzenは、参考比較として検証した Intel Core i9 (9900K) にも迫る改善が見られました。

CPU Align Photos Build Dense Cloud Build Mesh 合計時間 ※参考
① AMD Ryzen 7 3700X
/ Win10(1809) 2666
28秒 1分8秒 43秒 139秒
(2分19秒)
② AMD Ryzen 7 3700X
/ Win10(1809) 3200
28秒 1分7秒 40秒 135秒
(2分15秒)
③ AMD Ryzen 7 3700X
/ Win10(1903) 2666
28秒 1分10秒 44秒 142秒
(2分22秒)
④ AMD Ryzen 7 3700X
/ Win10(1903) 3200
29秒 1分9秒 41秒 139秒
(2分19秒)
⑤ AMD Ryzen Threadripper 2990WX 40秒 1分15秒 1分11秒 186秒
(3分6秒)
⑥ AMD Ryzen Threadripper 1950X 52秒 1分23秒 53秒 188秒
(3分8秒)
⑦ AMD Ryzen Threadripper 1950X SMT無効 37秒 1分20秒 45秒 162秒
(2分42秒)
⑧ Intel Core i9-7900X 40秒 1分6秒 38秒 144秒
(2分24秒)
⑨ Intel Core i9-9900K 26秒 1分4秒 34秒 124秒
(2分4秒)
⑩ Intel Xeon W-2155 39秒 1分9秒 1分12秒 180秒
(3分0秒)

■ まとめ


AMD Ryzenシリーズのメリットとしては、Intel製に比べ、価格帯が格段に安いことが挙げられます。現在、32GBメモリモジュールへの対応により、128GB構成も検討できるようになりましたので、GPU 1枚構成(後からGPUを追加しない)の場合は、Metashapeに対し第三世代Ryzenは有力な選択肢になると考えられます。

またここまでの測定結果から、XeonやRyzen Threadripperのような「多コア」を売りにしたCPUよりもAMDの7、9シリーズやIntel Core i9シリーズのような「単独高クロック」のCPUのほうが、Build Dense CloudやBuild Meshの処理に対し有効な場合が多いと言えそうです。


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